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インフルエンサー案件の詐欺の見分け方|怪しいDMの8つの確認点
この記事で分かること
「インフルエンサーになりませんか」「PR案件をお願いしたい」というDMは本物?東京都が公表した養成講座の紛争事例をもとに、よくある手口、DMで確認する8項目、困ったときの相談先をまとめました。
フォロワーが少し増えてきたころに届きやすいのが、「PR案件をお願いしたいです」「インフルエンサーになりませんか?」というDMです。うれしい連絡に見えますが、中には高額な講座への勧誘や、前払いを求める詐欺が混ざっています。
この記事では、東京都が公表した実際の紛争事例をもとに、よくある手口、DMが届いたときに確認する8項目、困ったときの相談先をまとめます。事務所からのスカウトについては、既存記事のスカウトされたら…安心できる事務所の見極め方5選+詐欺の特徴もあわせて確認してください。
1. 実際に起きたトラブル:インフルエンサー養成講座の事例
東京都は2024年2月、「インフルエンサー養成講座契約に係る紛争」が都の消費者被害救済委員会のあっせんで解決したと公表しました。概要は次のとおりです(出典:東京都 報道発表(2024年2月15日))。
20代の男性が、SNSに届いた「インフルエンサーになりませんか?」というDMに返信した
後日ウェブ会議で勧誘を受け、講座料金約80万円(クレジット手数料を含めると約100万円)の契約を、月約3万円の36回払いのクレジット契約で結んだ
1か月後に解約を申し出たところ、講座料金の8割にあたる入会金は返金できないと言われた
クレジットの支払総額は、契約の段階まで本人に示されていなかった
委員会は、この契約を特定商取引法上の「電話勧誘販売」にあたると判断しました。交付された契約書面に法律で必要な記載が欠けていたため、クーリング・オフが認められ、クレジット会社が支払い済みのお金を返金する形で合意しています。
東京都はあわせて、「話を聞くだけのつもりでも高額な契約を勧められることがある」「講座を受けても仕事や報酬につながるとは限らない」と注意を呼びかけ、勧誘時の画面や契約書類を保存しておくよう求めています。
ここで押さえておきたいのは、「案件」と「講座の勧誘」は入口が似ていても中身が逆だということです。案件はあなたがお金を受け取る話で、講座の勧誘はあなたがお金を払う話です。
2. インフルエンサーを狙うよくある手口5つ
① 案件やスカウトを装った高額講座の勧誘
最初は「投稿が素敵だったので」とほめる内容のDMが届き、オンライン面談に誘われます。面談では「プロの指導を受ければ稼げる」「すぐに元が取れる」と説明され、分割払いでの契約を勧められます。上の東京都の事例がこの型です。
国民生活センターも、若い世代の消費者トラブルとして「簡単に稼げる」とうたう副業や、オーディション後に高額なマネジメント契約へ進む事例について注意を呼びかけています(出典:国民生活センター「若者の消費者トラブル」)。
② 登録料・保証金などの前払いを求める
「案件に参加するには登録料が必要」「機材の保証金を先に振り込んでほしい」と言われるパターンです。有名ブランドの名前を出して信用させながら、実際には案件が存在しないケースが報告されています(出典:Libecity「インフルエンサー向けの詐欺の手口」)。報酬を受け取る側が、先にお金を払う必要がある案件は基本的にありません。
③ 偽サイトや不審なリンクに誘導する
「詳細はこちらから」とリンクを送り、ログイン情報や個人情報を入力させようとするものです。企業の公式サイトとは違うドメインで作られていることが多いので、リンクを開く前に、企業名で検索して公式サイトを確かめてください。
④ 条件があいまいなまま「まず投稿して」
報酬、投稿の本数、期限が決まらないまま投稿を求められ、投稿後に連絡が途絶える、報酬が支払われない、というケースです。詐欺とは限らず、企業側の事務が整っていないだけのこともありますが、結果として未払いになりやすいパターンです。
⑤ 個人情報だけを集めようとする
「商品を送るので住所と本名を」「本人確認のため身分証の写真を」と、早い段階から求めてくるケースです。案件の最初のやり取りで身分証が必要になることは、通常ありません。
3. DMが届いたら確認する8項目
確認すること | 見るポイント |
|---|---|
① 送信元のアカウント | 企業の公式アカウントか、担当者の名前と所属が確認できるか |
② メールアドレス | 企業の独自ドメインか。フリーメールだけの連絡は慎重に |
③ 会社の実在 | 社名で検索して、公式サイトや所在地が確認できるか |
④ お金の請求 | 登録料、保証金、教材費などを先に求められていないか |
⑤ 報酬の条件 | 金額、支払日、投稿の本数と期限が文章で示されているか |
⑥ 条件の記録 | 契約書やメールなど、あとから見返せる形で条件が出ているか |
⑦ 連絡手段 | DMやLINEだけで完結させようとしていないか |
⑧ 急がせ方 | 「今日中に」「枠が埋まる」と判断を急がせていないか |
Libecityの注意喚起でも、公式ドメインのメールか、前払いを求めていないか、契約内容があいまいでないか、企業名を検索して公式サイトに記載があるかを確認するよう勧めています(出典:Libecity)。
8つのうち1つでも引っかかったら、その場で返事をせず、一度手を止めるのが安全です。
4. 想定ケースで見る確認の進め方
よくあるやり取りを、架空の例でたどってみます。
ケースA:コスメブランドを名乗るDM
「新商品のPRをお願いしたい」とDMが届いた。社名で検索すると会社は実在したが、公式サイトにその商品が見当たらない。そこで公式サイトの問い合わせ窓口に「このDMは御社からのものか」と問い合わせたところ、「当社ではそのような依頼はしていない」と返事が来た。
DMに書かれた連絡先ではなく、自分で調べた公式の窓口に問い合わせるのが、いちばん確実な確かめ方です。
ケースB:「まずは無料のオンライン説明会に」
説明会では「素質がある」「月に数十万円稼いでいる受講生もいる」と言われ、分割払いの契約を勧められた。この場合は、その場で決めずに、契約書と支払総額が分かる書類を持ち帰ります。「分割にすれば月々は少額」「すぐに取り返せる」と言われても、借金やクレジットを使ってまで契約すべきかを冷静に考えてください。東京都も同じ点を注意喚起しています。
ケースC:報酬は「後日」、条件は口頭だけ
飲食店から「来店して動画を投稿してほしい、報酬は後日」と言われたが、金額も支払日も決まっていない。この場合は、メールやチャットで「金額、支払日、投稿の本数と期限」を文章にして送り、先方の返事をもらってから動きます。
5. 本物の案件でも、条件は文章で残す
詐欺でなくても、条件があいまいなまま進めるとトラブルになります。
2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法(フリーランス法)」では、従業員を使っている発注事業者がフリーランスに仕事を頼むとき、業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面やメールで示すこと、報酬を受け取った日から原則60日以内に支払うことが義務づけられています(出典:厚生労働省 島根労働局「フリーランス・事業者間取引適正化等法」、フリーランス・事業者間取引適正化等法の相談の手引き)。
個人のインフルエンサーが企業から案件を受ける場合、多くはこの法律の対象になります。条件を文章で出してもらうのは、遠慮することではありません。確認する項目はインフルエンサー案件の契約書で確認する7項目にまとめています。
6. 18歳・19歳は特に注意
2022年4月から、成年年齢は18歳に引き下げられました。未成年のうちは、親の同意なく結んだ契約を「未成年者取消権」で取り消せますが、18歳になってから結んだ契約には使えません(出典:国民生活センター「若者の消費者トラブル」)。
インフルエンサーやタレントを目指し始める年代と重なるので、18歳・19歳の人は、契約の前に家族や信頼できる人に一度相談する習慣をつけておくと安心です。オーディションに合格したあとの契約については、既存記事のオーディション契約書のチェックポイントも参考になります。
7. 被害に遭ったとき、不安なときの動き方
DM、メール、面談の記録など、やり取りの画面を保存する
契約書、申込書、支払いの記録を手元に残す
支払いを続ける前に、消費者ホットライン「188」に電話して相談する
クレジット契約を組んだ場合は、クレジット会社にも状況を伝える
個人情報を渡してしまった場合は、パスワードを変え、必要に応じてカード会社に連絡する
東京都の事例のように、契約の形や書面の内容によってはクーリング・オフが認められることがあります。自分で「もう無理だ」と決めつけず、まずは188に相談してください。
ライバーやVTuberの事務所を探している人は、Vライバー事務所の悪質な見分け方にも具体的な注意点をまとめています。
8. 怪しいDMに振り回されないための案件の探し方

DMで届く話を一つずつ疑うより、募集の内容が先に公開されている場所で案件を探す方が、確認の手間はずっと少なくなります。
MINEは、オーディション情報サイトのKYAM.PUSが運営する、タレント・クリエイター向けのプロフィールサービスです。企業の案件は募集票の形で公開されていて、報酬や投稿内容などの条件を見てから応募できます。応募後のやり取りはMINEの中のチャットで行うので、DMやLINEだけで話が進むより、記録がきちんと残ります。
登録も利用も無料で、登録料や講座代を求められることはありません。スマホでプロフィール(コンポジ)を作っておけば、事務所や企業からのスカウトを受け取ることもできます。
「このDM、本物かな」と悩む時間を減らしたい人は、案件を探す場所を一つ決めておくと判断が楽になります。登録は30秒ほどなので、MINEをのぞいてみてください。応募のときに役立つ数字のまとめ方は、メディアキットの作り方で紹介しています。
9. よくある質問
知らない企業から「商品を送りたい」とDMが来ました。住所を教えても大丈夫ですか?
会社の実在と、そのDMが本当にその会社からのものかを確かめてからにしてください。公式サイトの問い合わせ窓口に確認するのが確実です。
インフルエンサーの養成講座は、すべて詐欺ですか?
すべてではありません。ただ、高額で、長期の分割払いを勧められる場合は、支払総額と解約の条件を確認し、その場で契約しないことが大切です。講座を受けても仕事につながる保証はない、という点は東京都も注意喚起しています。
報酬が商品だけ(ギフティング)の依頼は怪しいですか?
ギフティング自体は一般的な依頼の形です。投稿の本数、期限、二次利用の範囲を事前に文章で確認すれば、トラブルは減らせます。
すでにお金を払ってしまいました
支払いの記録とやり取りを保存し、早めに消費者ホットライン「188」に相談してください。クレジット契約の場合は、支払いを止められるかどうかも相談できます。
公式マークのあるアカウントからのDMなら信用していいですか?
見た目だけで判断せず、企業の公式サイトに載っている連絡先から確認するのが確実です。なりすましのアカウントもあります。
10. まとめ
「インフルエンサーになりませんか」のDMから、高額な講座の契約につながった事例がある
案件はお金を受け取る話、講座の勧誘はお金を払う話。先払いを求められたら手を止める
DMが届いたら、送信元、ドメイン、会社の実在、お金の請求、条件の文書化など8項目を確認する
本物の案件でも、金額、支払日、投稿の本数と期限は文章で残す
困ったら、払う前に消費者ホットライン188へ
条件が公開された募集から選びたい人は、MINEでプロフィールを作っておくのも一つの方法です。
