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公開日:2026/11/8 01:00 更新日:2026/11/6 06:14

インフルエンサーの確定申告|副業20万円ルール・経費・インボイス

この記事で分かること

インフルエンサーのPR案件の報酬や投げ銭は確定申告が必要?副業20万円ルールと住民税、雑所得と事業所得の違い、経費にできるもの、ギフティングの扱い、2027年からのインボイス3割特例まで整理しました。

R案件の報酬や、ライブ配信の投げ銭を受け取るようになると、「確定申告はいるのか」「何を経費にできるのか」が気になってきます。商品をもらっただけのギフティングはどうなるのか、企業から「インボイスの登録番号はありますか」と聞かれたらどうするのか、という疑問もよく出てきます。

この記事では、公開されている情報をもとに、申告が必要になる場面、所得の区分、経費の考え方、ギフティングの扱い、インボイス制度との関係を整理します。税金の扱いは人によって変わるため、最終的な判断は税務署や税理士に確認してください。

1. インフルエンサーの収入は「事業所得」か「雑所得」

所得税では、所得が10種類に分けられています。インフルエンサーとしての収入は、多くの場合「事業所得」か「雑所得」のどちらかです。

税理士法人の解説では、次のように整理されています(出典:辻・本郷 税理士法人「インフルエンサーの確定申告」)。

働き方

主な所得の区分

インフルエンサーの仕事だけで生活している

事業所得

会社員が副業でインフルエンサーをしている

給与所得+雑所得

インフルエンサーの仕事とアルバイトをしている

事業所得+給与所得

どちらになるかは、その活動が世の中の常識に照らして「事業」と言える規模や継続性があるかで判断されます。2022年(令和4年分)からは、記帳をして帳簿書類を保存しているかどうかも判断の目安になり、収入が300万円以下でも帳簿書類を保存していれば、原則として事業所得に区分されると解説されています(出典:新日本法規「事業所得と業務に係る雑所得の区分」)。

自分がどちらに当たるかは、実態で判断されます。迷う場合は税務署や税理士に確認してください。

2. 確定申告が必要になるのはどんなとき?

会社員・アルバイトで、副業としてやっている場合

給与を1か所から受け取っていて年末調整を受けている人は、給与以外の所得(収入から経費を引いた額)の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告は原則いりません。これがいわゆる「20万円ルール」です(出典:freee「副業の確定申告は20万円以下なら不要?」)。

ただし、次の2点に注意してください。

  • 住民税の申告は別に必要です。住民税には20万円以下なら申告不要という決まりがないため、所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告をします

  • 医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)などで確定申告をするときは、20万円以下の副業所得も含めて申告します

「20万円以下だから何もしなくていい」と思い込んでいる人は多いので、ここは押さえておきたいところです。

インフルエンサーの仕事が本業の場合

会社に勤めていない人は、所得が一定以上あれば確定申告が必要です。基礎控除などの所得控除の合計を超える所得がある場合が目安になります。事業所得として青色申告をすると控除が受けられる場合もあるので、早めに準備しておくと有利です。

3. 雑所得と事業所得で何が変わるか

項目

業務に係る雑所得

事業所得

帳簿

記帳の義務は限定的。ただし前々年の収入が300万円を超えると、請求書や領収書などの保存が必要

記帳と帳簿の保存が前提

青色申告特別控除

使えない

要件を満たせば10万円・55万円・65万円の控除がある

赤字の扱い

ほかの所得と相殺できない

給与所得などと相殺(損益通算)できる場合がある

(出典:Financial Field「雑所得と事業所得の区分」、Financial Field「副業の確定申告書の書き方」、辻・本郷 税理士法人)

将来インフルエンサーを本業にしたい人は、副業のうちから帳簿をつけておくと、事業所得として申告するときの準備になります。

4. 収入として扱われるもの

PR案件の報酬

現金で受け取った報酬は収入です。企業によっては報酬から源泉徴収をしている場合があるので、支払明細や振込の記録を保管しておきましょう。報酬の目安や案件の探し方は、既存記事のPR案件のもらい方で紹介しています。

ギフティング(商品提供)

商品を受け取った場合の扱いは、少しややこしいところです。税理士の回答では、紹介したあとに返却する商品は所得として申告する必要はない一方、食品や化粧品のように使い切ったり、返さずに手元に残したりした場合は所得に当たるとされています(出典:税理士ドットコム「インフルエンサーへの無償商品貸与への課税有無」)。

金額が大きい商品や、継続的に提供を受けている場合は、税務署や税理士に確認しておくと安心です。商品の内容と価格は、案件ごとに記録しておきましょう。

広告収益・投げ銭

YouTubeの広告収益、スーパーチャット、TikTokのライブ配信のギフトなども収入です。換金した金額や明細は、自分で記録を残しておく必要があります。TikTokライブの収益の仕組みは、既存記事のTikTokライブ収益化の教科書で解説しています。

5. 経費にできるもの・できないもの

経費にできるのは、収入を得るために必要で、仕事との関係を説明できる支出です。よく挙がる例は次のとおりです。

  • 撮影の機材(カメラ、三脚、照明、マイク)

  • 編集ソフトやアプリの利用料

  • 通信費(仕事に使った分)

  • 撮影のための交通費

  • 案件や企画のために買った小道具や商品

  • 企業との打ち合わせにかかった費用

スマホや通信費のように仕事とプライベートの両方で使うものは、仕事に使った割合だけを経費にします(家事按分)。割合の根拠を説明できるようにしておきましょう。

判断が分かれやすいのが、服、美容院、コスメなどです。私生活でも使えるものは、経費として認められにくいことがあります。投稿のためだけに使っている、という説明ができるかがポイントです。迷うものは事前に税務署や税理士に聞いておくと、あとで困りません。

いちばん大切なのは、レシートや領収書を捨てずに、日付と目的をメモしておくことです。

6. インボイス制度:登録するか迷ったら

インボイス制度は、企業が消費税の計算で「仕入税額控除」を受けるために、売り手が発行する「適格請求書(インボイス)」を保存する仕組みです。インボイスを発行するには登録が必要で、登録すると消費税の申告と納税が必要になります。

前々年の課税売上高が1,000万円以下の人は、もともと消費税の納税が免除される「免税事業者」です(出典:マネーフォワード「免税事業者とインボイス」)。インフルエンサーの多くはこちらに当たり、登録しなければインボイスは発行できません。

企業から登録の有無を聞かれることがありますが、登録は任意です。売上の規模、取引先の要望、消費税の負担と手間を比べて決めます。

登録した人向けの負担を軽くする特例も確認しておきましょう。国税庁によると、免税事業者から登録した人は、納める消費税を売上にかかる消費税の2割にできる「2割特例」を、個人の場合は2026年(令和8年)分まで使えます。さらに、個人事業者は2027年・2028年(令和9年・令和10年)分の申告で「3割特例」を使えるようになりました(出典:国税庁「2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)」)。

3割特例の細かい要件は国税庁の案内で確認してください。

7. 想定ケース(架空の例)

ケースA:会社員、PR案件の報酬が年18万円

報酬18万円から、機材や通信費などの経費3万円を引くと、所得は15万円。20万円以下なので所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告が必要なので、市区町村に申告しました。

ケースB:会社員、PR案件の報酬が年60万円

経費10万円を引いた所得は50万円で、20万円を超えるため確定申告が必要。報酬の明細と領収書を整理して申告しました。副業の住民税の納め方(普通徴収を選べるか)は、自治体によって扱いが違うので、あわせて確認しました。

ケースC:インフルエンサーが本業、年収入400万円

帳簿をつけて事業所得として申告し、青色申告の控除を使っています。企業からインボイスの登録を求められたため、取引先の数と消費税の負担を比べたうえで登録し、2026年分は2割特例、2027年分からは3割特例を使う予定です。

8. 申告に向けて今からやっておくこと

  1. 案件ごとに、報酬、商品の内容と価格、支払日を記録する

  2. 経費のレシート、領収書、カードの明細を月ごとにまとめる

  3. 振込明細や支払明細を保存する

  4. 通信費など、仕事に使った割合の根拠をメモしておく

  5. 会計アプリ(freee、マネーフォワードなど)を使うなら、早めに始める

確定申告の期間は、例年2月中旬から3月15日ごろです。正確な日程は、その年の国税庁の案内を確認してください。

9. 案件ごとの記録を残しやすくする

MINE(案件探しやスカウトも来るコンポジ作成サービス)のロゴとスマホ画面のイメージ

申告の準備で一番困るのは、「どの案件で、いつ、いくらもらったか」が分からなくなることです。DMやLINEのやり取りだけで案件を受けていると、あとから探すのが大変になります。

KYAM.PUSが運営するMINEでは、企業の案件に応募してから完了するまでを、ダッシュボードの「案件」でまとめて確認できます。条件は募集票で示され、企業とのやり取りもMINEのチャットに残るので、案件ごとの記録を後から振り返りやすくなります。登録と利用は無料で、スマホでプロフィール(コンポジ)を作っておけば、スカウトも受け取れます。

これから案件を増やしていく人は、記録を残しやすい場所で受けるだけでも、確定申告の時期がずいぶん楽になります。登録は30秒ほどなので、MINEから始めてみてください。収入の全体像はインフルエンサーの収入の仕組み、会社員の人は副業でインフルエンサーを始める方法もあわせて確認してください。

10. よくある質問

副業の所得が20万円以下なら、本当に何もしなくていいですか?

所得税の確定申告は原則いりませんが、住民税の申告は必要です。お住まいの市区町村の案内を確認してください。

ギフティングでもらった商品も申告が必要ですか?

返却する商品は通常は収入になりませんが、使い切ったり返さずに持っていたりする場合は、収入として扱われる可能性があります。金額が大きいときは税務署や税理士に確認してください。

レシートはいつまで保存すればいいですか?

申告の区分や帳簿の付け方によって違います。業務に係る雑所得の場合、前々年の収入が300万円を超えると、請求書や領収書などを5年間保存する必要があるとされています。

青色申告をするには何が必要ですか?

事業所得として、開業の届出と青色申告の承認申請を税務署に出す必要があります。提出の期限があるので、国税庁の案内で確認してください。

学生でも確定申告は必要ですか?

学生でも、所得の金額によっては申告が必要です。親の扶養に入っている場合は、自分の所得が増えると親の税金にも影響することがあるので、家族と相談してください。

11. まとめ

  • インフルエンサーの収入は、多くの場合「事業所得」か「雑所得」。帳簿書類の保存も判断の目安になる

  • 会社員の副業は、所得20万円以下なら所得税の申告は原則不要。ただし住民税の申告は必要

  • 経費にできるのは、仕事との関係を説明できる支出。共用のものは按分する

  • ギフティングの商品は、返さずに使うと収入として扱われる可能性がある

  • インボイスの登録は任意。登録した個人は2026年分まで2割特例、2027・2028年分は3割特例が使える

  • 迷ったら、税務署か税理士に相談する

案件の記録を残しながら活動したい人は、MINEで案件の応募からやり取りまでを一か所にまとめておく方法もあります。


参考・出典

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